大阪市H邸 石張りの家

大阪市H邸 石張りの家

2001.12竣工

当工房の処女作です。

外壁には御影錆石の小叩き仕上げを用いています。
この錆石。年月と共に内在する鉄分が錆びることで
風合いが増していきます。

建築とは、建った時が一番美しいのではなく
年月と共に美しく変化を遂げることが大事だと考えています。

その美しさとは、決してキレイさではなく、風合いであったり
趣であったり、時間を重ねるからこそ醸し出すことができる
美しさを指します。

内部にも天然の木や左官材を用いることで、現代の住宅が
失いつつある「自然の風合い」を感じる住居を目指しました。

敷地は大阪市内の土地30坪程度。建蔽率の制限や緑地化の
条例などもあり、有効建物面積(建築面積)は約10坪程度
ですが、外部との繋がりを意識した空間構成とすることで、
広がりのある印象を持つ空間に仕上げています。

様々な制約やご要望という情報を整理していき、これ以上
差し引くものがなくなった状態こそが、シンプルで飽きの
来ない空間であると考えます。

これが私達の、用舎行蔵の基本理念でもあります。

    敷地面積: 98.65㎡(29.84坪)
    延床面積:156.81㎡(47.44坪)
    構造規模:地下1階・地上3階/RC造
    構造設計:有限会社五元設計
    施工会社:株式会社伊西組