
堺市 H邸 古民家リノベ
2019.01竣工
築100年を越える建物。
初めて見た時の圧倒された感覚をはっきりと覚えている。
門をくぐった先の開けた中庭の開放感も素晴らしかった。
この中庭をロの字に4棟の建物が囲んでいる。
残念ながら母屋を除いて3棟は長年使われておらず、建物は傷んでいた。
ご要望は、この建物をギャラリー+子世帯夫婦の居住空間として蘇らせることであった。
3棟とは、門棟、倉庫棟、居住棟である。
門棟は畳の間2部屋を1部屋にまとめ、来客時の応接棟として生まれ変わった。
お施主様が海外赴任先で購入したアジアンテイストの家具が似合う空間となっている。
日本もアジアの一国だと改めて感じられる程馴染んでいる。
倉庫棟は作家たちの作品を展示をするギャラリー棟として生まれ変わった。
内部空間は全てを削ぎ落して床・壁・天井のみの空間とした。
建物の持つ力と展示作品が相乗効果で、さらに魅力的にしてくれていると思う。
最後は居住棟を寝室、水廻り、書斎スペースからなる建物とした。
建物内部の解体途中で現れた梁が見事でその場で設計図を描き換えた程である。
天井のない高い空間でも何故か落ち着きがある。
木の持つ力を改めて知るきっかけとなった。
今回の改装で中庭との繋がりを強め、また中庭も建物の中に繋がっていくように開口部を設けた。
それぞれが繋がりを持つことは双方に良い効果を生み出す。
ギャラリーという付加価値を得た建物が、作家たちの作品と相乗効果でよりその価値を高めてくれればと切に願う。






